概観
- 総じてアウターコロナを見据えた経済再開とそれに伴うインフレ懸念によって、スピードが調整され、バリュエーションが正常化した状況と思われる。
- インフレ懸念の過熱感について、コロナの第4波・デルタウィルスへの懸念で直近では少し落ち着いた印象。
- 日経平均株価については、中国景気*や国内のワクチン普及の遅さから、ここのところ低迷しているが、それらは織り込まれており、オリンピックとそれに向けてのワクチン接種率の急上昇が今後見込まれており、為替も金利もフォロー。*:中国経済現状を把握する必要がある。
- これらから、米国・日本は今買っても良く、中国は共産党100周年を迎えて、数か月後が買い場だと想定する。ドルコスト平均法なら、日米中できれいに分散投資して良いと考える。
- 個別銘柄、特にハイパーグロースは、金利≒PPI・CPIの動向に影響されながら、好決算銘柄がゆっくり上昇していく状況ではないかと想像。
- セクターでみるとヘルスケアやIT・不動産など金利と負の相関をもつセクターが調子よく、インフレ・金利の影響が支配的な相場であり、次回決算期までその傾向は大きな変化はないと考える。
S&P500採用企業業績概況
- S&P500の利益見通しは毎週上方修正を継続している。
- S&P500株価はここのところ伸び悩んでおり、2022年12月の利益予想ベースでは19倍と割高感が緩和されてきている。
日経平均採用企業業績概況
- 日経平均の予想EPSからみたPERは、加重平均で14倍、指数ベースで16倍。
- バリュエーションからみて割高感は解消。
各国インデックス株価比較
- コロナ後最安価格から成績は、米国>日本>中国。
- 2月の高値を超えているのは、S&P500のみ。ただしnasdaqはロウアーハイ。日本・香港は、2月以降ロウアーロウ。
- 米国は、いつ買っても良いと思う。日中を買うのなら、分散でちまちま行くほうが安全。
VIX
- 傾向に変化なし。
- もはや取り立ててボラティリティは高くない。ギャンブラーはどこか他のところに行った。良かった。
米国失業率
- 継続して回復してはいるが、そのスピードは遅く感じる。
- 発表失業率は5.8%だが元の3%台に戻るのは、半年後か1年後か、あるいは戻らないのか。
米国物価
- 生産者物価・消費者物価ともに高止まり。
コモディティ価格
米国金利
- 急騰した米国金利は低下傾向、物価傾向に反応している。
- 呼応してハイパーグロース株がやや復活している。
- FRBメンバーやイエレンの発言を見るとテーパリングの地ならしは始まっているもの、それは少し先か、かなりゆっくりしたものになるということだと思う。したがって今後金利は1.5%から同等か低位横這いに近い状態で推移するのではないか。
米国長短金利動向
日本10年債金利
- 5月は急低下して、コロナ後平均的水準へ。
- コロナ第4波を警戒しているのだろうか。
為替
- 長期ではドル安傾向だと想定
- ドル円は、日本のワクチン普及と米国業績向上が相殺して3か月くらいは108-110での推移と想定。
- 3から6か月後、あるいは2022年前半に、中国の共産党100周年の一区切りと、米中の緊張緩和が来れば、資金がアジアに還流して、円高となるのではないか。
米国セクター
コロナ前水準から
コロナ後最安値より
直近3か月