2023/4/14

最近、株が高めなこともあって、銘柄選定をサボり気味である。

今やっている特定のスクリーニング条件で、引っかかった銘柄の財務諸表をにらめっこして、安いと思ったらちょっと調べるという方法で、その株があがるか下がるか予想できる気がしない、ということもモチベーション低下の原因かもしれない。

結局、財務諸表をいくら調べても、その銘柄のバリエーションを測ることにしか使えないので、顕在化している歪みを発見することしかできない。

マーケットが偏っていなかったり、効率的であればあるほど、それは見つけにくくなる。

バリュー株ならそれでも、特に日本ではまだ見つかるけど、なにかのショックで少し下がったところで買いたくなるので、マーケットが高めで推移しているときはモチベーションが湧きにくい。

グロースの場合、株価が安いか高いかは将来の決算次第ということになる。

したがって、過去の財務諸表をいくら見ても、たとえ成長の割にバリュエーションが低いことを発見しても、次の決算が予測できないことには、その状態が継続するかどうか確信が持てない。

買った途端に新株を発行したり、そんなのも良くあるわけだし。

したがって何か他の情報が必要になる。

それは他の投資家から得た耳寄り情報だったり、他の企業のカンファレンスコールで得た情報だったり、何かの経済指標やデータだったりするのだろう。

要はグロースってのは、そういうところから発掘するもので、スクリーニングするものではないということだろう。

そうでなければ、個別株のグロース投資は、モーメンタムを利用したトレーディングのようなものになる。それだって短期でしか通用しない何からの外部情報を利用する必要があるのが普通だ。

ま、要するに財務諸表とにらめっこして、歪みが見つかればいいが、そうでない時期は、それ以外の情報からなんらかの変化を取りに行かないとコンスタントに儲けられないってことだろうなあ。

What works on wallstreet

2014年に買って、眠ってた長期投資の本、What works on wallstreet読んだ。

PERやPSR、配当利回りなどよく使われる指標に対して、株をリバランスしながら長期保有した場合に、どの程度のパフォーマンスへの影響があるかを調査した本だ。

今の自分の投資法に付け加えるものは、そんなに多くはないけど、自分のグロースとバリューのストラテジーの理屈を補足するような内容だった。

翻訳はどうやら存在しないようで、英語で読むしか無いけれど、それぞれの指標に対して同じフォーマットでデータが並んでいるため、最初の方だけ読めば後の方はグラフだけ読めば事足りるようになるので、1日で読める。

この本を読んで株式投資がうまくなったりはしないだろうけど、利益や売上と言ったものが企業の長期パフォーマンスに対して、どの程度安定して有効なのかということが推察できるようになる。

紹介されている指標は、ざっとPER、PSR、PBR、配当利回り、PERの変化率、Relative Strength等で、それぞれについて大型株と小形株の長期パフォーマンスが比較されている。

本の内容としては、グロース系とバリュー系の両方のデータが書いてあるが、基本的にはバリュー系の投資法に有効な本だろうと思う。

グロースのデータも乗っているが、結論としてPERは役に立たないとか、PSR=1以下だとパフォーマンスが良いとか、その手法で辿り着ける銘柄は、現在の日本や米国においては、およそ所謂グロース系の銘柄とはかけ離れたものになる。

PSR=1以下ってことは、利益率が高い業種だと全て該当しなくなってしまうし、該当する企業においても、そういう企業は、ほとんどPBRも1倍以下なるからバリュー投資系の企業群のみ該当する結果となり、グロース指標として意味がない。

これは高い成長率が長期間持続することはないため、長期で見ると、結局相当安いときに買わなければ有利な結果が得られないということだろうと思うが、要するにグロースにおいては、タイミングを測る必要があるというだけのことと感じる。

また、興味深いデータとして、Relative Strengthが最も有効な指標の一つとして紹介されている。Relative Strengthは、この本では、前年の株価と今年の株価の変化率のことで、今風に言えばテクニカル指標といえる。

この本の結論に示されているのはこのRSとPSRやPBR、PER成長率などの有効なファンダメンタルズ指標を組み合わせるのが有効だというになっている。

結論からすると当たり前的な感じがするが、具体的なデータとしてそれが明らかになるのが、この本の素晴らしいところだと思う。

2022/4/10

はるか昔に買って一回も読んだことのない、What works on the Wallstreetを、どちらかというと、春の夜の読み物として目を通し始めた。

最初の数ページで気になったのは、

Uniting growth and value strategies is  the best way to improve your investment performance

という1文。五月さんの本でも、その他の誰か忘れたが、著名投資家も最初に大儲けしたのは、そんなケースだったような気がしている。リスクが全く無く、アップサイドは数倍あるっていうシチュエーション。

まだこの本読んでいないのですけどね。

2023/4/9

今日は以前から気になっていた仕事、その時々のEnterprise Valueから理論的な株価の推移を計算して、時価に対するコントラリーオピニオンを生成するプログラムを作成することを試みたが、惨敗。

その企業の成長性があまりにBumpyなため、チャート上にオーバーレイしても役に立たなかった。結局その企業が将来どのくらいのキャッシュを生み出すかという点があまりに不確かであるということなんだろう。

加えて、Enterpirse Valueに過去に蓄積したCash等価物やDebtを足し引きするアイデアも、あまりに株価がそれらのファンダメンタルズに反応しない感じがして、実用性はないと判断した。

グロースとバリュー的な価値観を統合する試みであるが、いくら理論的な時価総額が上昇しようとも、株価がまったく相関しない、ランダム的な挙動なのであれば、コントラリーオピニオンにすらならない。そういう組み合わせた見方をしている投資家があまりいないのかも知れない。

いつかは評価されるのかもしれないが、数十年に一回、本来価値が評価されるかどうか程度であれば、投資には役に立たない。だいたいいつも相関していて、偶に理論値から乖離する、というものでなければいけない。

その上で明らかに機能する歪みを見つける作業をすべきなのだろう。

残念だけど、駄目なことを積み重ねて、その方面の努力を辞めることにより、効率を追求していく活動の割合が投資には結構大きい、したがってこれは無駄ではないのだとも思いたい。

2023/4/8

今週は米国の中粒の景気先行指標が立て続けに悪化し、株価は軟調だった。

この後CPIなど重要指標が続くのでどうなるかわからないが、最初の数個の指標時点で、相場が調整することを確信していたので、日米の指数をショートすることで、ポートフォーリオをヘッジした。

でも、それほど、パニック的な相場にならなかったので、戻したところでヘッジを解消してしまったのだが、その後少々下がっている。

自分のポートフォリオの半分のバリュー株は特段下がらず、グロースが1銘柄大幅に下がっただけで、指数は日経平均は少し下がっている程度。

ヘッジしておけば、多少儲かったわけだが、特段、大きな問題はないようにも感じる。

しかし相場の方向は分かっていたにも関わらず、あまり利益にできていないという点が気になっている。グロースの1銘柄も。

 § ヘッジについて

ヘッジがもう少しうまくできれば、相場が上げても下げても、そんなに困らないことが分かってきた。

ヘッジをミスって相場が上げても、個別はもっとあがるから儲かるし、ヘッジをうまく下で解消できれば、上げたときにかなり儲かるだろうし、今回みたいにミスって儲け損なっても、下で株を買えばリカバリーできるわけで、相場の下落で儲ける機会がやたら多い。

何よりも、売れない株を保有している状態で、下で買うのは精神力がいる。

ヘッジをしていると、精神状態が全く異なり攻めている状態になる。それにリスクを下げているのに儲かる可能性が増えるのだから、フリーランチに近い感覚を覚える。自分の性格にあっている予感がする。ただし頻発すると、スウィングトレードになってしまうので別の難しさが生じる。ここぞというときにやるべきだろう。機会は年に数回だろう。

  § ピーター・リンチの本

ピーターリンチの本をちまちま読んでいる。ジワっと良い本だが、今の自分に一番大きいのは、ピーターリンチが、大量の銘柄を発掘できるという事実だ。

彼は意識的でもある。たくさんの石をヒックリ返すと、比例して虫が見つかる。ということだそうだ。要するに労働することで儲かるということだ。

個人投資家は、普段そんなに労働する必要はないが、相場が今一つでも、たくさん石をひっくり返して、ピーターリンチくらい、多角的にバリュエーションを分析すれば、いくらでも銘柄は見つかるということなんだろうと思われる。

自分は相場が高くも安くもないときや、高めのときにあまり銘柄を発掘するのが面倒になってしまう傾向がある。高めのときは、売却・ヘッジ・ショートの目線で相場をみているので、それをしていれば良い気もするのだが指数のバリュエーションが中位のときは、もっと石をひっくり返す努力をしたほうが良いのかもしれないと感じている。

問題は、心がついてこないことなのだが…。

手法の問題もある。

いまの自分の株式投資は、大別すると、グロース系の投資とバリュー系の投資の2つの別々の手法がある。それぞれ違う数字の見方をしているわけだが、グロースとしてもバリューとしても基準に合致しない株は漏れてしまう。

本当は、グロースとバリューの数字を組み合わせて、統合した基準を作ればピーター・リンチがやっていることと同じになるのだと思うが、今はまだ手を付けていない。何をやればよいのかはだいたい分かっているのだが…。

自分の場合は、たぶんその新たな基準ができたら、プログラムに落とし込む必要があるが、それも問題なくできると思われる。バランスシートの詳細はシステムから取れないものが多いので、システムで取得できる簡易的なものになるだろうが、1銘柄のポジションをそんなに小さくする必要性もないので、それほど大量の銘柄を発掘する必要もない。問題ないだろうし、そのうち手を付けるんだろうなという予感はする。

今バリューはともかく、グロースは少し銘柄を見つける頻度が少ない気がしているので。

と、ここまで書いたが、実装は単にEVやEV/Ebitda Ratioを視覚的にチャート上に落とせば良いだけのような気もする。その際に、EVが、デット・キャッシュ部分に乗っかっている様を色分けしたりすれば良いのだろうという気がする。

  § メモ

2023年現在、普通であれば毎週400~500銘柄くらいを調べていると思うが、低活動のときは、200銘柄しかみていないという感じだと思う。

しかし低活動のときであっても、ウォッチリストに200銘柄くらい入っているので、それが良い価格になれば買ったりはしている。

もし上記の統合システムができたら、同じ調査対象数でも、多くの銘柄が見つかることになる。要するに作業効率が上がるわけだから、早くやったほうが良いのだろう。

2023年4月4日

この日記を久方ぶりに再開することにした。

目的は、特に無い。後で読み返して和んだりするため、ということにしておく。

そのため、ルールとして、馬鹿なことをかいても削除しない、ということを上げておく。

--

今日は、ピーター・リンチの株式投資の法則を、久しぶりに読んでいる。

かつて読んだときは、あまり心に残らなかったのだが、今読んでみると参考になると感じる。

それから、複利の計算をするための72の法則が記載されていて、これはずいぶん自分の中で使っている法則だったので、この本で覚えたと知り驚いた。

 

今読むとここに書いてある調査法は、株式投資にとても必要なことで、銘柄選定やら調査などの日々のルーチンが書いてあるのだが、当時は良くわからず、雑多な本という印象した持たなかったようだ。

 

かつては自分のことと思えなかった同僚のアナリストとの情報交換や、企業への訪問調査などは、今や私の仕事と、ちょっと形は違うが、ほとんど同じであると言える。

個人投資家が同じことをやろうとしたら、SNSなどを活用する必要があるが、要諦は同じだろう。

 

あと最近の私の経験で、かなりファンダメンタルズよりの投資がメインになっており、マゼラン・ファンドの銘柄選定方針とかなり似通っている。

差異があるのは、私が未学習の領域であるといって良い気がする。

例えば、マゼランが買う企業の分類として、小型成長株、高配当株、含み資産株、シクリカルなどがあるようだが、(もう一つくらいあった気がしたが…)この分類は自分の手法とよく似ている。含み資産株は調べづらいので、これまでトライしたことはないが、保有不動産の価値などは今後調べる様になるかもしれない。

 

ともかく、ポイントはマーケット全体から雨の日も風の日も天気の日も利益を搾り取ることであり、そうすると、グロースとかバリューとか一つの手法だけに固執することなく、複数の種類の株を買う必要があるということだろう。

一つの手法を極めていく、というのもありだとは思うが、それだと不向きな時期に投資を始めてしまったりするリスクがあるので、一概に良いことではないと結論できる気がする。専業であれば、その時間はあるだろうし、いろいろな手法を試すことで知識の幅やいろいろな企業を調べることに繋がるのだから、そうすべきだ。

ミネルヴィニみたいに6年間もトライし続けることができる精神力や時間があるなら別だが、それはすくなくとも私には難しい。

 

日記

先日買って振り落とされたUFPT。

今更ながら見るとここ数ヶ月の出来高に良い兆候が見られない。

それから6月の大商いのあと陰線の割合が多く、RSも急低下。

第3ステージだったかも。

実行しないが、空売り対象リストを作って観察する。