所感
- 2021年1Q後半から6月まではおそらく景気後退に入っていると判断する。
- 過度なインフレ懸念が後退し、急激な金利上昇も逆回転。経済状況を反映した投資環境に戻った。
- 不況時のセクターローテーションとなりハイテクや不動産が強く、金融やエネルギーが弱い。
- セオリー通りでいけば株式はフルポジションで良いと思われるが、バリュエーションは高い。
- 安定した利益成長が見込めるハイテク株などを中心とした構成が良いと思われる。
米国物価
- 物価は2%をはるかに超える位置で上昇しており、物価の観点からは、インフレへの示唆に変化はない。
- しかし高騰している商品に偏りがあり、物価上昇が短期的に終わる根拠となっている。
- 高騰しているのは自動車と中古住宅、中間財としては半導体(?)や材木価格等、それからガソリン等エネルギー価格だが、住宅指標・材木価格は1Q後半より景気がピークアウトし後退期に入っていることを示唆している。エネルギー高騰はランサムウェア等の経済には関係ない供給制約による面がある。
- 半導体はよくわからないが、自動車向け半導体の需給が少し緩んだような話もでてきている。
住宅建築・販売
- 住宅建築許可は、2021年1月にピークアウトし先月も下がり続けている。
- 新規住宅着工や中古住宅販売は、少し落ち着いたものの高水準。異常な水準、というほどではない。
商品価格
米国小売販売
- 小売売上は高い位置にあるが、ピークアウトするのだろうか?
雇用
- 7月か8月くらいになったら、米国の失業者への支給が終わるから、雇用が急回復するといわれていたが、そうなっておらず、逆に直近の失業申請は増えている。
- 失業保険受給者数の回復も遅く、このペースでは2021年度に元の水準に回復するとは思えない。
鉱工業生産
- 2021年は横這いで推移。
- ならしてみると回復中で問題はない。貿易は?
Treasury Yield 10 Years (^TNX)
- ぐいぐい低下する長期金利。債権投資家は米国経済回復が遅れるというスタンスに変化。
- 物価は確かに上昇しているが雇用はコロナ前には程遠い状況であり、回復も遅い。
- 短期的に物価に反応したが、なんといっても雇用が全く回復していないので、雇用指標が示唆する経済状況に合わせて、金利が戻ってきた状況と考える。
為替
- 7月に入って、何故か円高に動いたが、ドル高に戻り始めた印象。
- ドルインデックスを見ると、2021年度は基本的にドル高方向に動いている。
米国企業業績
- 2021年2Qの決算発表を控えて決算への期待は高いが、1週間前の集計ではあるが、S&P500企業の決算は8%発表時点で、85%以上が予想を上回っており、今期も好決算になりそう。
- 集計後発表の決算のいくつかも良い印象。(twitter等)
- ただS&P500のバリュエーションは、20倍を超えているので、大幅増益はかなり織り込んでいる水準。銘柄・セクターをあてに行く必要があるかもしれない。
各国インデックス
- 西高東低に変化なし。
- 3月くらいから、日本と香港は特に悪い。どこかで切り戻すと思うのだが。
米国セクター
- エネルギーの低下が著しい。
- 過去一か月では、
IT>不動産>ヘルスケア>一般消費財>必需品
>>>産業=通信・SNS>金融>科学
>>>エネルギー - 要するに経済停滞・不況時のセクターローテーションとなっている。
ボラティリティ
- 一貫して低下してきて、コロナ前と同等水準になっている。